医療・介護の事務作業をAIで半減:現場が楽になるDX活用法
「患者さんと向き合いたいのに、事務作業に追われている」――医療・介護の現場で働く方々から、もっとも多く聞かれる声のひとつです。看護記録、介護記録、シフト調整、問い合わせ対応。気がつけば1日の業務時間の3割以上が事務作業に費やされていることも珍しくありません。
本記事では、AIやデジタルツールを活用して、こうした事務作業の負担を大幅に軽減する具体的な方法をご紹介します。
医療・介護現場の事務作業、実態はどうなっている?
記録業務に1日2時間以上
看護師の業務時間調査によると、記録・報告書作成に費やす時間は1日あたり平均2〜3時間に上ります。介護施設でも、介護記録の作成、申し送り資料の準備、ケアプランの更新など、記録関連の作業が大きな負担になっています。
属人化したシフト管理
多くの医療・介護施設では、シフト管理が特定のスタッフの手作業に依存しています。Excelや紙で管理している施設では、急な欠勤や希望変更のたびに調整作業が発生し、月末のシフト作成に数日を要するケースもあります。
電話対応の負担
患者・利用者やご家族からの問い合わせ、他施設との連絡調整、業者との打ち合わせ。電話対応は業務を中断させる大きな要因です。特に小規模クリニックでは、受付スタッフが電話対応と窓口対応を同時にこなさなければならず、ミスが起きやすい環境になっています。
AIで効率化できる3つの領域
1. 記録業務の自動化
音声入力AIを活用すれば、診察中や介護中の記録をリアルタイムで作成できます。話した内容がそのまま構造化された記録に変換されるため、後から記録を書き起こす時間が大幅に削減されます。
導入効果の目安
- 記録作成時間:平均50〜70%削減
- 記録の抜け漏れ:大幅に減少
- 申し送り資料:自動生成で作成時間ほぼゼロに
最近の音声認識AIは医療・介護用語にも対応しており、専門用語の変換精度も実用レベルに達しています。
2. シフト最適化
AI搭載のシフト管理ツールを使えば、スタッフの希望、資格、経験年数、労働時間規制などを考慮した最適なシフトを自動で作成できます。
- スタッフの希望休をアプリで収集(紙の回覧不要)
- 法令遵守のシフトをAIが自動作成(夜勤回数、連続勤務日数の制限を自動チェック)
- 急な欠勤時の代替候補をAIが即座に提案
導入施設では、シフト作成にかかる時間が月あたり10〜20時間から1〜2時間に短縮された事例もあります。
3. 問い合わせ対応の効率化
よくある問い合わせ(診察時間、予約変更、面会ルール、持ち物確認など)は、AIチャットボットやWeb予約システムで自動化できます。
- AIチャットボット:ホームページ上で24時間、よくある質問に自動回答
- Web予約システム:電話予約をオンライン化し、電話対応を50%以上削減
- 自動応答IVR:電話の一次振り分けを自動化し、必要な電話だけをスタッフに接続
導入を成功させるためのステップ
ステップ1:現場の声を聞く
「何が大変か」をスタッフにヒアリングし、最も負担が大きい作業を特定します。全部を一度に変える必要はありません。最も効果が高い1つの領域から始めることが成功のカギです。
ステップ2:小さく試す
まずは1つの病棟やフロアで試験導入し、使い勝手やトラブルを確認します。現場のフィードバックをもとに運用を調整してから、全体に展開しましょう。
ステップ3:段階的に広げる
試験導入で効果が確認できたら、他の部門へ展開します。同時に、2つ目、3つ目の効率化ポイントにも着手していきます。
ステップ4:効果を測定する
導入前後で業務時間がどれだけ変わったかを定量的に測定し、投資対効果を可視化します。これが次の投資判断の根拠になります。
デジタル化に不安がある方へ
「ITに詳しいスタッフがいない」「高齢のスタッフが使いこなせるか心配」という声をよくいただきます。しかし、最近のツールはスマートフォンのように直感的に操作できるものが増えています。
また、導入時のスタッフ研修や運用サポートを含めた支援を行うDXパートナーと組むことで、ITに詳しい人材が不足していても安心して進められます。
まとめ
医療・介護の事務作業をAIで効率化することは、単なるコスト削減ではありません。スタッフが患者さん・利用者さんと向き合う時間を増やし、ケアの質を高めることにつながります。
DEALCAでは、現場の負担を理解した上で、無理のないペースでのDX導入をご支援しています。まずは「どこから始めればいいか」の整理から、一緒に考えてみませんか?